医学生の皆さんへ
初期研修修了を前に思うこと
初期研修医36期生 外科専攻医 山田 剛大

「そういう思いを持った乳腺外科医が増えるといいよね」
初期研修医1年目4月の勤務初日、私にとって初めての指導医であった産婦人科の先生から言われた言葉を今でも忘れることができない。学生時代から乳腺外科を志望していた私にとって、実習や見学のたびに聞かれる「何科志望なの?」への返答は毎回少々緊張するものであった。
「珍しいね」で終わるのはまだ良いほうで、「裁判になった事件あったよね」とか「胸が好きなんだ」なんて言われることもざらにあった。そんな中、私の思いに耳を傾け背中を押してくれた指導医の言葉は素直に嬉しかった。

それから早くも2年弱の月日が経とうとしている。ベッドサイドで患者さまの話に耳を傾け、診察をし、カルテを書くという至極当然のことを愚直に繰り返し続けた。点滴一つオーダーするのにも指導医に確認してから行うところからのスタートだったが、少しずつ任される範囲が広がっていった。素晴らしい先輩、同期、後輩にも恵まれた。各学年様々なバックグラウンド、志を持つ24人が全国から集まっており、今後それぞれの志す分野で第一線で活躍していくのだろうと確信している。
教育熱心な指導医、後期研修医の先生方からは医師としての知識、技術、態度の全てを一から叩き込んでいただいた。どの診療科でも見守りの中で責任ある仕事を任せていただき毎日やりがいをもって仕事をすることができた。あまりにも楽しかったので志望科が揺らいだことが何度もあった。実際同期の中には充実した研修を経て進路を変更した者が1/3程度はいる印象である。最終的には学生時代から志していた乳癌診療の道に進み、後期研修医として亀田に残ることを決めた。

「亀田は最も良い初期研修病院ですか?」という質問に対しては、“分かりません”というのが正直な答えだ。初期研修に求めるものは人それぞれであり、ある人にとってベストな研修病院が別の人にとってもベストであるとは限らない。そもそも私自身、実際に初期研修を行ったのは亀田だけであり比較対象が存在しない。では質問を変えて「亀田での初期研修で良かったですか?」という問いには自信を持って答えることができる、“亀田で初期研修を行って本当に良かったです”と。

初期研修を終えた医師3年目からはついに専門の医師として扱われる。その責任の大きさに不安を感じる一方で、最も興味のある分野の修練に入ることが楽しみで仕方がない。
そして、私も冒頭の医師のように初期研修医の背中を押してあげられるような指導医でありたいと思う。その初期研修医がこの文章を読んで亀田総合病院に来てくれた亀レジの後輩であれば、こんなに嬉しいことはない。

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