このコースは、総合内科の幅広い知識と診断能力をベースに、感染症の専門家として独り立ちできる人材を育成することを目標としています。修了者は感染症内科を立ち上げて、そのリーダーとして後進の指導を担うことのできる人材となることを期待しており、感染症内科の指導医、あるいは総合内科・感染症内科の指導医、責任者として活躍することを想定しています。従来の感染症フェローシップの修了者と全く同等です。
感染症・総合内科コンバインドプログラム:総合内科3年+感染症内科3年
このプログラムは新専門医制度の施行に伴い新たに制定したプログラムです。今まで亀田での感染症専門医育成プログラム(感染症フェローシップ)は、内科後期研修が終了した卒後5年目以上の方を対象として募集をしていました。しかし新専門医制度への移行に伴い卒後3年目からの方を対象に内科学会の新内科専門医と感染症専門医を取得できるプログラムを新たに制定しました。
新専門医制度の内科領域のプログラムは、サブスペシャリティの研修・専門医取得を行う前に内科一般領域の先行研修が必須となっています。そこで、初めの3年間に総合内科で内科一般領域の研修を行い、引き続いて3年間の感染症フェローシッププログラムに入ります。このコースを修了することで、新内科専門医の資格と感染症専門医試験の受験資格を獲得することができます。
内科のサブスペシャリティとして、日本感染症学会の認定する感染症専門医を取得することを前提としており、そのための基本領域として日本内科学会の新内科専門医の取得を行います。新専門医制度の内科専門研修とサブスペシャリティ専門研修の連動研修は“内科標準タイプ”のコースになります。
新内科専門医の取得までは総合内科プログラムに所属する形で、当院を基幹病院とした内科専門医研修プログラムに登録した上で、幅広い症例の経験と登録を行う。3年間の総合内科プログラムを修了し、新内科専門医を取得する。
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引き続いて、感染症内科のフェローシッププログラムによる感染症専門医としての研修を行い、3年間のフェローシップを終了後に感染症専門医試験受験資格を得て、サブスペシャリティとしての感染症専門医を取得する。感染症フェローシッププログラムでは従来のフェローと研修内容は同じであり、亀田総合病院と成田赤十字病院感染症科での感染症内科研修を行う。
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3年間の感染症フェローシップの間に3ヶ月間、エレクティブコースの期間を設けており、亀田総合病院感染症フェローの身分が保障された状態で、国内外の希望の施設での選択研修を受けることができる。過去には都立小児病院での小児感染症研修や、タイ・ミャンマー国境付近で学ぶ熱帯感染症研修コース、米国のアラバマ大学が主催する熱帯医学研修コースとして有名なGorgas Courese(https://www.uab.edu/medicine/gorgas/)で本格的な熱帯医学の研修を受けてきたものもいる。エレクティブ期間では、当院だけでは学べない分野の感染症に関する研修を受けることができ、知識を広げるとともに視野を広げることに役立っている。
感染症フェローシップでは、一般業務は入院患者を中心とするコンサルテーション、血液培養陽性患者のフォローアップ、結核、HIV患者の入院患者担当、そのほかの感染症患者の入院患者マネジメントと研修医教育にあたる。また、総合内科領域と感染症専門領域の外来を担当する。総合内科領域では高血圧、糖尿病などの慢性疾患の外来マネジメントと、様々な主訴で来院する一般内科患者の診断、治療を担当する。HIVの外来マネジメントも総合診療外来で行う。感染症専門領域の外来では不明熱の検索、海外帰国者の発熱、小児から成人までの輸入ワクチンを含むワクチン接種、海外渡航者の渡航前後の健康管理についてなどを担当する。感染管理については感染管理ナース(ICN)、と協力し、院内および、関連施設の感染管理を行う。これらの業務を実践しながらon the job trainingとして指導を受けていく。また、関連施設の安房地域医療センターに出張し、感染症コンサルテーション、感染管理のコンサルテーションも行う。
年間のコンサルト症例は約1,200-1,300例で、およそ60%あまりが血液培養陽性例である。フェローは2チームに分かれそれぞれ20-40例のコンサルト症例を常時担当する。午後の回診では全症例のレビューを行い、他チームの症例についても学ぶことができる。
必要とされるモジュールを設け、それぞれについてレポート、プレゼンテーション、テストをもって評価する。従来のように「たくさん症例を経験してものにする」だけでなく、包括的、総合的な教育が受けられる。
本プログラムが開始された2004年より以前は、基礎医学や、特定の臓器に関する感染症ではなく、横断的な臨床感染症をマスターした専門医を育成するフェローシッププログラムは国内にはなかった。横断的な感染症診療を目指すものは米国などの海外のフェローシップに劣らない、むしろその上を行く実力をつけるプログラムを目指しており、過去の修了者はその目的に恥じない人材を輩出することが出来ていると自負している。
常勤2名、細川直登、馳亮太(日本感染症学会専門医)が指導に当たる。また、総合内科と兼務で伴浩和(米国感染症専門医)も指導に入る。
文責者名:感染症内科 部長 細川 直登
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