血液・腫瘍内科では、多様な症状に対応するために卒後1-2年目では循環器・消化器・内分泌等の他内科のローテーションを強く推奨しています。また当科は基礎研究の成果がもっとも臨床に反映されやすい科であることより基礎的な研究に対する関心をもつことも必要であると考えています。
後期研修では造血幹細胞移植をも含めた一般的な血液疾患の診断と治療が行えることを目標としていますが、具体的には
血液は、生体の恒常性の維持、情報伝達、免疫環境の獲得に主要な役割を果たしており、最近では、諸臓器の再生にも深く関わっている可能性が示唆されています。さらに造血器悪性腫瘍にたいする化学療法は様々の悪性腫瘍に対する化学療法のモデルとされ、おおくのバリエーションをもった治療が行われております。造血器腫瘍は生命リスクが高く、患者さんは多くの臓器障害を有する場合も多く見られ、循環器や消化器、呼吸器を始め免疫、感染症、輸液などすべての分野が関連した集学的治療が必要となることが多いという特長があります。また造血器腫瘍では治療効果の高い新薬や新しい治療法が従来の治療法を一変させるようなダイナミックな変化を体験できる場合も多く、いわゆるトランスレーショナルリサーチに踏み込むような研究的な治療も当院で行っていければいいと考えています。当科を志望、ローテーションされるレジデント諸君についても単に血液疾患だけを診るのではなく、血液疾患を通して、または血液を切り口にして様々の疾患に迫ることのできる眼を養ってもらうよう努力されることを望みます。
文責者名:血液腫瘍内科部長 末永 孝生
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